登壇概要
次世代M&Aアドバイザー養成塾 塾長・清水淳史氏にお声掛けいただき、オープンセミナー「M&Aの成功は買収後(PMI)で決まる」に、一般社団法人日本PMIサポート協会 代表理事 後藤俊輔がパネリストとして参加しました。
当塾では、毎期PMI(Post Merger Integration/M&A後統合)に関する講義にも登壇しており、今回のセミナーでは、M&A成立後の統合をいかに成功へつなげるかについて、実践経験を持つ経営者・専門家それぞれの視点から議論を行いました。
M&Aを「買収して終わり」と捉えるのではなく、その後の組織統合、人材統合、経営体制の構築までを含めた一連のプロセスとして考える機会となりました。
成功事例と失敗事例の両面からPMIを考える
メイン講演には、これまで13社を買収し、M&Aを企業成長につなげてこられた、ひかりホールディングス 倉地社長が登壇されました。
M&A・PMIの実務では、失敗事例からリスクや課題を整理し、「何を避けるべきか」を考えるアプローチがあります。
日本PMIサポート協会でも、多数のPMI失敗事例に共通する要因を分析し、統合プロセスに潜む課題を事前に把握しながら、PMIの成功確率を高めるためのプロセス設計や支援を行っています。
一方で、倉地社長は、複数のM&A成功体験をもとに「何を実行すれば企業成長につながるのか」という観点から実践事項を体系化されており、異なるアプローチからPMIを捉える貴重な機会となりました。
失敗から学ぶPMIと、成功から学ぶPMI。両方の視点を重ねることで、M&A後統合をより立体的に考えることができます。
パネルディスカッションで深めたPMIの実践論点
講演・パネルディスカッションでは、M&A成立後のPMIを実際に進めるうえで重要となる具体的なテーマについて意見交換を行いました。
例えば、
- 元オーナーにどの程度の期間、経営や事業運営に関与してもらうべきか
- M&A後の組織におけるキーパーソンをどのように特定するか
- 統合後の経営体制をどのように設計するか
- 買収先の経営陣・従業員との信頼関係をどう構築するか
- M&A成立後、どのタイミングで組織や制度に変化を起こすか
- M&Aを単発の取引ではなく、継続的な成長戦略としてどう活用するか
といった、PMIの現場で実際に判断が求められる論点について議論を深めました。
PMIでは、制度や仕組みだけでなく、人材、組織、経営者同士の関係性まで含めて考える必要があります。
「企業の成長力=M&A実践力」という視点
倉地社長から示された「企業の成長力=M&A実践力」という考え方は、今後の企業経営を考えるうえで重要な視点です。
M&Aは、企業を買収すること自体が目的ではありません。
買収後に双方の強みを活かし、人・組織・事業をつなぎ、当初描いていたシナジーや成長戦略を実現して初めて、M&Aは企業価値向上につながります。
その意味で、日本PMIサポート協会では、
「M&A実践力=PMI遂行力」
という視点を重視しています。
M&Aを継続的な成長戦略として活用する企業にとって、案件を成立させる力だけでなく、買収後の統合を実行できるPMI人材、推進体制、プロジェクトマネジメント力を社内に持つことが、今後ますます重要になります。
M&Aアドバイザーに求められる「買収後」の視点
M&Aアドバイザーの役割は、案件の成立を支援することだけではありません。
M&Aの目的を実現するためには、デューデリジェンスや契約条件の検討段階から、PMIで何が起こるのかを想定しておくことが重要です。
買収後に起こり得る組織課題、人材流出、経営体制の混乱、シナジー実現の難しさまでを見据えたうえでアドバイスできることが、これからのM&Aアドバイザーに求められる重要な能力の一つです。
今回のセミナーは、M&Aの「成立」だけではなく、「成立後にどう成功させるか」という視点を改めて共有する場となりました。
提供した視点
今回の講演・パネルディスカッションを通じて、以下の視点を共有しました。
- M&Aの成否を契約成立ではなく、PMIまで含めて考えること
- M&A後統合を企業成長の重要なプロセスとして捉えること
- 失敗事例と成功事例の双方からPMIの実践知を学ぶこと
- 元オーナーやキーパーソンの扱いが組織統合に大きく影響すること
- M&A成立前からPMIを見据えて準備すること
- PMI人材・推進体制・プロジェクトマネジメント力を高めること
- M&Aを単発の取引ではなく、継続的な成長戦略として活用すること
M&Aの専門家と実践経営者がそれぞれの経験を持ち寄り、M&A後の統合を成功につなげるための具体的な知見を共有する機会となりました。


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